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「君の名は。」ヒットの要因に“神ってる”RADWIMPSの劇中歌

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アニメ映画「君の名は。」が快進撃を続けている。先月26日の公開から3週連続で全国週末興行成績(興行通信社調べ)で首位を獲得し、動員481万人、興収62億円を突破。リピーターも多いというヒットの要因の一つに、ロックバンド「RADWIMPS」が手掛けた劇中音楽がある。

新海誠監督(43)は「この映画には3つの声がある」とし、主人公の男女の高校生の声優を務めた神木隆之介(23)と上白石萌音(18)に加え、RADWIMPSのボーカル・野田洋次郎(31)の声を挙げていた。その言葉通り、野田の柔らかいハイトーンボイスのボーカル曲がかかるタイミングは“神ってる”といえるほど抜群で、作品を盛り上げるのに絶大な効果を発揮している。

RADWIMPSが映画音楽を手掛けるのは初めて。2014年に監督とプロデューサーから依頼を受け、映画のあらすじやイメージをもとに、主題歌「前前前世」など4曲のボーカル曲と22曲の劇中曲を作り上げた。新海監督は3日に行った大ヒットイベントで、RADWIMPSについて「一緒に映画を作ってきたという感覚。音楽で映像が変わった部分もあるし、音楽がかかる部分にピークを持っていこうと思っていた。音楽に(作品の)背骨を作ってもらった」とその存在の大きさを説明。野田も「自分にとっても一生残る作品」と感慨ひとしおの様子だった。

バンドの元々のファンや、若い世代が熱狂するだけでなく、ヒロインの祖母の声を担当した市原悦子(80)も「良いムードで映画全体がわかるような音楽が響いてきました」と称えるなど、“第3の声”が世代や性別を問わず心を動かしている。ヒットの勢いはまだ止まらなそうだ。